
学生服(スカート、ズボン)のウエストのお直しについて
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1.初めに
学生服のお直しで、お客様から一番「ありがとう」をいただけるメニューがあります。
それは、「ウエスト調整」のお直しです。
ウエストサイズが合っていないお洋服は、そもそも着用が出来なかったり、着心地が悪かったりと、見た目だけではなく機能面での不便が多々生じてしまいます。
お直しをすることで思っていたよりもずっと楽にお洋服が着られるようになるという感動が、感謝のお言葉をいただく機会に繋がっているのではないかなと考えています。
2.制服のウエストお直しについて
ウエスト調整には2つの種類があります。
1つはサイズダウンするお直し、もう1つはサイズアップするお直しです。 お直し屋ではサイズダウンを「ウエスト詰め」 サイズアップを「ウエスト出し」と呼ぶことが一般的です。
3.ウエストサイズ調整の方法
制服のウエストサイズ調整の方法は、スカートとスラックスでやり方が大きく異なります。
それぞれ解説していきたいと思います。
制服スカートのウエスト調整について
制服スカートのウエスト詰め
学生制服のスカートは、ベルトの形2種類×スカートひだの形3種類の、主に6種類の形があります。 それぞれの形によって調整の仕方は微妙に異なってくるのですが、どの形の場合でも、やることとしては、
- ベルトとスカート本体を引き離す
- ベルトサイズを小さくする
- スカート本体のサイズを小さくする
- ベルトとスカートを合体しなおす
という4工程を踏みます。
特に③についてですが、学生服のスカートはほとんどがプリーツひだのある形になりますので、そのプリーツの折り幅を変えることでサイズを小さくしていきます。
例えば、ウエストを3cm小さくしたい場合で、スカートのひだが15本ある場合は、
3cm÷ひだ15本=0.2cmずつ、全てのひだを折り直していきます。大変細かい作業です。
よく、「プリーツスカートのウエスト詰めを行うとひだの数が少なくなりますか?」というお問い合わせを頂くのですが、上記の方法をとるのでプリーツの本数が変わることはありません。
また、プリーツの幅を調整するため、基本的には10cm,20cmといった大幅なサイズ調整も可能となっています。※ひだが少ないスカートの場合は難しい場合もあるので注意
制服スカートのウエスト出し
ウエスト出しの場合でも、基本的にはやり方はウエスト詰めと同じ工程で行います。
1つ大きく違うポイントは、ベルトサイズを大きくする際に、ベルトに生地を足さなければならないという点です。
スカート本体の生地はプリーツの折り込み部分を伸ばしていくので、生地が足りなくなることはほとんどのケースでありません。 しかし、ベルト部分はジャストサイズで作られており、小さくすることはできても、生地を足さずに大きくすることはできないのです。
丈詰めをしたことのあるスカートならその残布(共布といいます)を使ってベルトに生地足しを行えば、最低限目立たなくすることが可能です。 そういった生地が無い場合は、当店の場合は無地でできるだけ近い色の生地を足して加工を行っております。
*豆知識*
生地には表裏だけではなく、縦横の”向き”があります。 スカート本体の生地は生地を縦方向に、ベルト生地は横方向に使っていることが多く、共布があっても柄合わせができない場合があります。
制服ズボンのウエスト調整について
制服ズボンのウエスト詰め
制服ズボンのウエスト詰めは、スカートと異なり、形状によって加工方法が変わることはほとんどありません。 代わりに、”サイズをどの位調整するのか”によって、加工方法が変わってきます。
~4cmくらいまで
後ろ中心の縫い目1本を利用して加工を行います。
紳士物のパンツウエストにも言えることなのですが、元々サイズ調整を行うことが前提とした作りとなっているため、4cm程度までは後ろ中心の縫い目のみで、大きくバランスを崩すことなく加工をすることができます。
ほどく箇所や縫う箇所自体も少ないため、そこまで難易度の高いお直しではありません。 価格も高額にはなりづらいと思います。
5cm以上
5cm以上のお直しになると、後ろ中心の縫い目だけで加工を行うと、見た目のバランスが崩れてきます。 後ろ中心のみでの加工は、後ろ身頃ばかり小さくなっていくので、脇線(つまり前身頃)が後ろの方にどんどんずれていくことになります。
脇部分や、前にタックが入っているズボンの場合は、タックを処理して小さくしていくのが一般的です。 脇は大量に詰めるとポケットの差込口が小さくなってしまうので、ノータックのズボンの場合、大幅な寸法変更は難しいと認識いただければと思います。
※ポケットが小さくなってor使えなくなってもよい場合はその限りではありません。
制服スラックスのウエスト出し
理屈はウエスト詰めと同じになりますが、大きな注意点があります。
それは、スカートと違ってズボンは調整量に限度がはっきりあるという点です。洋服のサイズを大きくするには、余剰な縫い代がどれだけあるかが重要になってきます。
新品の学生ズボンの場合、後ろ中心に5cm程度の縫い代がついていることが多く、4cm程度まではサイズを大きくすることができる場合が多いです。
それ以上大きくしたい場合は、前タックや脇線を利用して更に大きくすることも出来ますが、ノータックのズボンの場合、脇線には余剰な縫い代がほとんど無いため、大きくできても7cm程度までということが少なくありません。
変わってタックがあるズボンであれば、10cm以上加工できることもあります。
また、5cm以上のお直しの場合、スカートと同様ベルト部分に足し布を行わなければいけません。 スカートと違ってベルトをしてしまえば見えなくなるので、目立たないように着用することは可能となっています。
4.ウエストの測り方
ウエストのサイズ調整を行う際は、試着がとても大切になってきます。
採寸を失敗すると、お直しをすることで逆に着用できなくなってしまう可能性があるからです。
unimmでは、アイテムごとに採寸方法を紹介したページをご用意しています。 失敗しないポイントなども合わせてご案内しているので、もしよければ下記ページを参考に、採寸を行ってください。
【スラックス】採寸方法の解説| 学生服のお直しは制服専門の縫製工場へ【unimm】
【スカート】採寸方法解説| 学生服のお直しは制服専門の縫製工場へ【unimm】
5.ウエストサイズ調整の料金
unimmでは、制服スカート、制服ズボン、両方のウエストサイズ調整のお直しに対応しております。
また、工場の閑散期シーズンは通常価格の約30%オフでご利用いただけます。 それぞれの料金を紹介します。
学生スカートのウエスト詰めの料金
スカートの形によって料金が異なります。
一般的なプリーツスカート
10月∼5月のご注文:¥4,720
6月∼9月のご注文:¥3,640
ごく一般的なプリーツスカートの形状であればこちらの価格で加工できます。
プリーツ根元ステッチ
10月∼5月のご注文:¥6,010
6月∼9月のご注文:¥4,630
プリーツの根元部分が、中縫いや飾りステッチで開かないようになっているスカートです。 裾部分はプリーツが開くようになっているため、一般的なプリーツスカートとパッと見の見た目が同じ場合もあります。
ボックススカート
10月∼5月のご注文:¥6,010
6月∼9月のご注文:¥4,630
プリーツ同士が突き合わせになっているタイプのスカートです。
通常のプリーツスカートよりもひだが少なく、ウエストの両端にダーツが入っていることが多いのが特徴です。
学生スカートのウエスト出しの料金
スカートの形によって料金が異なります。 スカートの特徴はウエスト詰めと同じです。
一般的なプリーツスカート
10月∼5月のご注文:¥5,580
6月∼9月のご注文:¥4,300
プリーツ根元ステッチ
10月∼5月のご注文:¥6,870
6月∼9月のご注文:¥5,290
ボックススカート
10月∼5月のご注文:¥6,870
6月∼9月のご注文:¥5,290
学生ズボンのウエスト詰めの料金
何センチの加工を行うかで料金が異なります。
また、過去にウエストの加工歴がある場合は、その数字も加味してください。
1~4cm程度
10月∼5月のご注文:¥2,580
6月∼9月のご注文:¥1,980
4.5~10cm程度
10月∼5月のご注文:¥6,870
6月∼9月のご注文:¥5,290
学生ズボンのウエスト出しの料金
ウエスト詰め同様、何センチの加工を行うかで料金が異なります。
また、過去にウエストの加工歴がある場合は、その数字も加味してください。
1~4cm程度
10月∼5月のご注文:¥2,580
6月∼9月のご注文:¥1,980
4.5~10cm程度
10月∼5月のご注文:¥8,160
6月∼9月のご注文:¥6,280
6.終わりに
以上が学生服のウエストのお直しに関する、学生服専門のお直し屋からの視点での解説でした。
unimmは埼玉で40年の制服専門の縫製工場が運営するお直し屋です。
品質、スピード、価格のどれも追及し、何よりも、学生さんの学校生活がより素敵な日々になるように、心を込めたお直しを心がけています。
他店との比較で迷っている方、1度是非当店に制服をお送りください。
ご不明点があれば、どんなことでも気軽にお問い合わせください。
unimmのご利用を心よりお待ちしております。