採寸方法
——”採寸”ってなあに?——
お直しを利用する際に「採寸」という言葉をよく耳にしませんか?
採寸とは文字の通り、”寸法”を”採る”こと。
つまり、お直ししたいところを何センチ直したいか、その数字を測ることを「採寸」といいます
——プロじゃなくても採寸はできる!——
ネットでお直しをする場合、プロに採寸をしてもらうことは残念ながら難しいです。着ている人の身体の形に合わせてお直しを行うので、測る人と測られる人が同じ空間にいないと正確な採寸ができないからです。
では採寸はプロにしか出来ないのでしょうか?
まったくそんなことはありません、どんな人でもやり方を知っていれば採寸は簡単に行ことが可能です◎
このページでは採寸に必要な道具、注意点、実際の詳しいやり方の解説について、お直しのベテランがわかりやすく紹介しています。
是非参考にしてみてください!
採寸の前に2つの前提を確認
①採寸に必要な道具
*採寸を行うために以下の道具を用意しましょう*
②お洋服の着方
——何故着方が大切なのか?——
採寸を行う際は正しく制服を着用することが大切です。
何故なら、着方次第で見え方やお直し寸法が大きく変わってきてしまうからです。
例えばスラックスやスカートはウエストの適正な位置で穿かず腰穿きの状態で採寸した通りにお直しを行うと、いざちゃんと穿いた時に短くなりすぎてしまった等のトラブルが起こります…!
以下に正しい着用のポイントを示しましたので、是非参考にしてみてください。
スカートの採寸の解説
丈詰めの採寸方法
プリーツスカート丈詰めの際の採寸の流れ
裾からの丈詰めでもウエストからの丈詰めでも、採寸は同じ方法でOK◎
—— 採寸のやり方 ——
①まずはどのくらい短くしたいか目安を鏡の前で決めて、大体のところをクリップで1箇所とめてみよう
②一度スカートを脱いで、クリップで仮止めした布が何センチ折り返っているか測ってみよう
③スカートの裾の何カ所かを②で測った数字通りに折ってクリップでとめてみよう※生地が落ちてくる場合は安全ピンやマチ針で固定すると試着時見やすくなります
④もう一度スカートを穿いて、一周回って見え方を確認してみよう ➡いい丈になるまで①~④を繰り返す
丈がちょうどよくなったら、改めて布の折り返し量を測って下さい。
その数字が「短くしたい量」になります
ウエストからの丈詰めの際もこの測り方で出た数字でご注文いただいて大丈夫です◎
—— 失敗しないポイント ——
- クリップはなるべくたくさんのポイントをとめるとわかりやすい◎
- 前だけでなく、特に後ろ姿をよく確認しよう!➡後ろ姿はスマートフォンで撮影するのがオススメ!
スカートの丈詰めで一番多い失敗は「思っていたよりも短くなってしまった」というもの!
これは前からの見え方だけを重視してしまうと起こりがちです
スカートは布がヒップの丸みに合わせて上に上がるので、一周同じ着丈でも前側より後ろ側の方が短く見えるのです!
丈伸ばしの採寸方法
プリーツスカート丈伸ばしの際の採寸の流れ
裾からの丈伸ばしでもウエストからの丈伸ばしでも、採寸は同じ方法でOK◎
—— 採寸のやり方 ——
①まずは自分の持っているスカートの裾が何センチ長くできるか、縫い代の長さを測ってみよう!
②①で測った数字の範囲の中で自分がどのくらい丈を長くしたいか目安を鏡の前で決めます。マスキングテープや絆創膏などを太ももに貼ってどのあたりまで裾が伸びてほしいか目安にしてください
③定規でスカートの裾から目印に貼ったマスキングテープの距離を測ります
その数字が「長くしたい量」になります
ウエストからの丈詰めの際もこの測り方で出た数字でご注文いただいて大丈夫です◎
—— 失敗しないポイント ——
- 太ももにスカートを押し当てないように測ろう
- 前だけでなく、特に後ろ姿をよく確認しよう!
スカートを抑えて太ももに添わせて距離を測ってしまうと生地が抑えられた分長くなってしまい本当に長くすべき量よりも少ない採寸になってしまうので注意△
ウエスト詰めの採寸方法
プリーツスカートウエスト詰めの際の採寸の流れ
ウエストがゆるい、アジャスターを一番きつくしてもスカートがくるくる回ってしまう時は、ウエスト詰めを行うと不便が解消されます
—— 採寸のやり方 ——
①スカートを履いたら、ファスナーを下して、巻きスカートのように自分の丁度良いと思うところまでスカートを重ねる
②丁度良いところまでスカートを重ねたら、クリップで重なっている部分を留めよう
③スカートのホックのひっかける部分から、アジャスターの中央までの距離を測ろう
—— 失敗しないポイント ——
- アジャスターの設定は必ず中央に戻しておこう
- ウエストピッタリではなく、指が2本入るくらいのゆとりを作ること
ウエスト調整で一番多い失敗は「直した後のウエストがキツい」というもの
※これはウエストを小さくする場合も大きくする場合も共通で起こりがち
採寸は立った状態で行いますが、ウエストにゆとりが無いと座ったりしゃがんだりした時にウエストがかなりキツくなってしまうのです
ウエスト出しの採寸方法
プリーツスカートウエスト出しの際の採寸の流れ
ウエストがキツイ、アジャスターを一番ゆるくしてもお腹が苦しい時は、ウエスト出しを行うと不便が解消されます
—— 採寸のやり方 ——
①スカートを履いたら、ファスナーを下して、巻きスカートのように自分の丁度良いと思うところまでウエストを拡げる
②丁度良いところまでウエストを拡げたら、ホックのひっかける部分からアジャスターの中央までの距離を測ろう
—— 失敗しないポイント ——
- アジャスターの設定を必ず中心に戻しておこう
- ウエストピッタリではなく、指が2本入るくらいのゆとりを作ること
ウエスト調整で一番多い失敗は「直した後のウエストがキツい」というもの
※これはウエストを小さくする場合も大きくする場合も共通で起こりがち
採寸は立った状態で行いますが、ウエストにゆとりが無いと座ったりしゃがんだりした時にウエストがかなりキツくなってしまうのです
ウエスト出しの採寸の時は少し難しいかもしれないですが、調整して丁度いいと思ったところで一度座ったりひねったり動いてみて、ウエストのゆとりを確認しましょう
スラックスの採寸の解説
丈詰めの採寸方法
スラックス丈詰めの際の採寸の流れ
—— 採寸のやり方 ——
シングル(通常の裾)もダブル(裾端を表に折り返したようなデザイン)も同じ採寸方法です
①まずはどのくらい短くしたいか目安を鏡の前で決め、大体のところをクリップでとめてみよう 素足の状態で床から1cm程度裾が浮いているのが理想と言われています
②一度スラックスを脱いで、クリップで仮止めした布が何センチ折り返っているか測ってみよう
③スラックスの裾の両脇を②で測った数字通りに折ってクリップで留めてみよう 生地が落ちてきてしまう場合は安全ピンで端をとめてみてください
④もう一度スラックスを穿いて、一周回って見え方を確認してみよう ➡いい丈になるまで①~④を繰り返す
丈がちょうどよくなったら、改めて布の折り返す量を測って下さい。
その数字が「短くしたい量」になります
—— 失敗しないポイント ——
- 普段履いている靴を履いて身体を横に向けて鏡で確認するとなお良し◎
- 座った時に裾がどの位上に上がるかも念のため見てみよう
スラックスの裾調整で注意したいのは、靴を履いた時に見た目の印象が変わりやすい点です。靴のデザインによって裾がかなりたるんで見えたり、座った時に靴と裾の隙間が開きすぎて見えたりといったギャップが起こります。 目安は素足の状態で床から1㎝浮いている状態ではありますが、念のため靴を履いての確認もしておくとよいでしょう
また、正面の見た目だけで決めると後ろ裾が思っていたより短くなってしまったということが起きやすいため、体を横に向けて鏡でで前~横∼後ろの裾のバランスを確認することも大切です
丈伸ばしの採寸方法
スラックス丈伸ばしの際の採寸の流れ
—— 採寸のやり方 ——
シングル(通常の裾)もダブル(裾端を表に折り返したようなデザイン)も同じ採寸方法です
①まずは自分のスラックスが何センチまで長くできるか確認しよう!
シングルは縫い代-1.5cm
ダブルは表に折り返っているダブル幅×2cm+1.5cm
がそれぞれ長くできる長さになります
※現状がダブルの裾のスラックスは仕上がり後シングルの見た目になります
②鏡の前に立ち鏡に対して体の外側が写るように横を向きましょう
③かかと側の生地に定規を添え、床までの距離を測ります
その数字から-1cm短くした量が「長くしたい量」になります
—— 失敗しないポイント ——
- 普段履いている靴を履いて身体を横に向けて鏡で確認するとなお良し◎
- 座った時に裾がどの位上に上がるかも念のため見てみよう
スラックスの裾調整で注意したいのは、靴を履いた時に見た目の印象が変わりやすい点です。靴のデザインによって裾がかなりたるんで見えたり、座った時に靴と裾の隙間が開きすぎて見えたりといったギャップが起こります。 目安は素足の状態で床から1㎝浮いている状態ではありますが、念のため靴を履いての確認もしておくとよいでしょう
また、正面の見た目だけで決めると後ろ裾が思っていたより短くなってしまったということが起きやすいため、体を横に向けて鏡でで前~横∼後ろの裾のバランスを確認することも大切です
ウエスト詰めの採寸方法
スラックスウエスト詰めの際の採寸の流れ
ウエストがゆるい、ベルトを締めると生地がたわんででこぼこする場合、ウエスト詰めを行うと不便が解消されます
—— 採寸のやり方 ——
①スラックスを履いたら、ファスナーを下して、巻きスカートのように自分の丁度良いと思うところまでスラックスの左右を重ねる
②丁度良いところまでスラックスを重ねたら、クリップで重なっている部分を留めよう
③スラックスのホックのひっかける部分から、ひっかけられる側のホックまでの距離を測ろう
その数字が「小さくしたい量」になります
—— 失敗しないポイント ——
- お腹を引っ込めたり生地をひっぱたりせず、自然な状態で測る
- ウエストピッタリではなく、指が2本入るくらいのゆとりを作ること
ウエスト調整で一番多い失敗は「直した後のウエストがキツい」というもの
※これはウエストを小さくする場合も大きくする場合も共通で起こりがち
採寸は立った状態で行いますが、ウエストにゆとりが無いと座ったりしゃがんだりした時にウエストがかなりキツくなってしまうのです
折ウエスト出しの採寸方法
スラックスウエスト出しの際の採寸の流れ
ウエストがキツイ、お腹をひっこめないとスラックスが穿けない場合、ウエスト出しを行うと不便が解消されます
—— 採寸のやり方 ——
①まずは自分のアイテムがどこまでウエストを拡げられるか確認しよう
②スラックスを履いたら、ファスナーを下して、自分の丁度良いと思うところまでウエストを拡げる※お腹をひっこめないで自然な状態で行うこと
③丁度良いところまでウエストを拡げたら、ホックのひっかける部分からひっかけられる側のホックまでの距離を測ろう
その数字が「大きくしたい量」になります
—— 失敗しないポイント ——
- ウエスト出しの際はお腹を引っ込めたり生地をひっぱたりせず、自然な状態で測る
- ウエストピッタリではなく、指が2本入るくらいのゆとりを作ること
ウエスト調整で一番多い失敗は「直した後のウエストがキツい」というもの
※これはウエストを小さくする場合も大きくする場合も共通で起こりがち
採寸は立った状態で行いますが、ウエストにゆとりが無いと座ったりしゃがんだりした時にウエストがかなりキツくなってしまうのです
ウエスト出しの採寸の時は少し難しいかもしれないですが、調整して丁度いいと思ったところで一度座ったりひねったり動いてみて、ウエストのゆとりを確認しましょう
上着の採寸の解説
袖丈詰めの採寸方法
上着袖丈詰めの際の採寸の流れ
ボタン付きだったり開きみせになっていたり、よく見ると様々なデザインの袖がありますが、どんな袖でも共通の採寸方法になります。
—— 採寸のやり方 ——
①まずはどのくらい短くしたいか目安を鏡の前で決め、大体のところをクリップでとめてみよう 手を自然に下した時に親指の付け根の出っ張りに被らないくらいが理想とされています
②一度上着を脱いで、クリップで仮止めした布が何センチ折り返っているか測ってみよう
③上着の袖の両脇を②で測った数字通りに折ってクリップで留めてみよう 生地が落ちてきてしまう場合は安全ピンで端をとめてみてください
④もう一度上着を着て、腕を曲げたりひねったり動かして見え方を確認してみよう ➡いい丈感になるまで①~④を繰り返す
丈がちょうどよくなったら、改めて布の折り返す量を測って下さい。
その数字が「短くしたい長さ」になります
—— 失敗しないポイント ——
- 上着はいつものシャツやインナーなどを着用し、前のボタンを閉めて袖丈を確認しよう
- 腕を曲げた時に袖がどのくらい上に上がるかも確認しよう
ブレザーや学ランの袖丈調整は、普段着るインナー(特に長袖Yシャツ)などで袖口の位置が微妙に変わります。また、前ボタンを閉めずに着ると肩の位置が合わずにお直し後の袖が思っていたよりも短かったということが起きやすいです。 普段の着方で前ボタンもキッチリ閉め、お直し後のギャップが起きにくいようにしましょう
袖丈伸ばしの採寸方法
上着袖丈伸ばしの際の採寸の流れ
ボタン付きだったり開きみせになっていたり、よく見ると様々なデザインの袖がありますが、どんな袖でも共通の採寸方法になります。
—— 採寸のやり方 ——
①まずはどのくらい長くしたいか目安を鏡の前で決めます。袖がここまで伸びてほしいという手の位置にマスキングテープなどで印をつけます
②上着の袖の端からそのテープまでの距離を定規で測ります
その数字が「長くしたい長さ」になります
—— 失敗しないポイント ——
- 上着はいつものシャツやインナーなどを着用し、前のボタンを閉めて袖丈を確認しよう
- 腕を曲げた時に袖がどのくらい上に上がるかも確認しよう
ブレザーや学ランの袖丈調整は、普段着るインナー(特に長袖Yシャツ)などで袖口の位置が微妙に変わります。また、前ボタンを閉めずに着ると肩の位置が合わずにお直し後の袖が思っていたよりも短かったということが起きやすいです。 普段の着方で前ボタンもキッチリ閉め、お直し後のギャップが起きにくいようにしましょう